第4話「ガラスの村祭り?」
小さなきっかけ

「この瓶、売り物じゃないの? 欲しいって言ってる人、多いですよ」
ミーナが両手で抱えるように見つめるのは、ルグラが吹いた繊細な青いガラス瓶。村の子どもたちからご婦人まで、目にした者は皆、心を奪われていた。

「……売るために吹いたわけじゃない」
ルグラの答えに、ミーナはにっこり微笑む。

「じゃあ、“見せる”だけでもいいんじゃないですか? 夜に光を当てて、村のみんなに見てもらえたら、もっと素敵になりますよ」

「ふふ、それ、“ガラスの祭り”って名付けたら?」
タオが肩越しにささやく。
その一言で、ミーナの瞳がぱっと輝いた。
—
ぼくも最初は首をかしげたが、タオの提案に「小規模なら」と許可を出す。
こうして、“即席村イベント”の準備が静かに始まった。
灯りと人と、村の夜
ガラスの作品が広場に並べられると、村人たちは皆、息を呑んだ。
透明な小瓶、色付きの風鈴、光を受けると虹色に反射する球体。
夜が訪れるとともに、タオとミーナが用意したキャンドルが灯された。
「きれい……まるで空の星が降ってきたみたい」
「ルグラさん、これ作ったの? すごいなぁ」
誰もが目を輝かせていた。ルグラはそれを遠巻きに見ながら、小さく頷いた。
その隣で、タオはそっと息を吐く。

「やっぱり、この村は優しい場所ね……だから、行けるわ」
—
祭りが終わりかけた頃、タオは静かにミーナを呼び寄せた。
別れと未来

「ねえ、ミーナ。ちょっといい?」

「はいっ! あっ……タオさん、顔がちょっと……」

「ふふ、大丈夫。ただ、話しておきたいことがあるの」
—

「私、王都に戻ることにしたの」

「えっ……!」
ミーナは思わず声を上げる。

「元々、事情があって王都を出てきたの。でも最近、ひとつ決心がついたのよ」
タオはやさしく笑う。

「今なら、向き合える気がする。自分のやりたかったことに」

「でも、店は……」

「あなたに任せたいの。最初は私の場所だったけど、今は違う。あなたが、誰よりも村の“好き”を形にしてるわ」
ミーナは唇を結び、しばらく言葉が出なかった。
けれど、やがて——

「……わたし、頑張ります。タオさんの場所、守ります」

「ううん、守るんじゃないの。もっと素敵にして、あなたの場所にして」
二人の手が、夜の風に温かく重なる。
—
タオは静かに村を後にする。
ルグラが吹いた、小さなガラスのペンダントを首に下げて。
それは、バリアルト村での記憶の結晶だった。

大国歴20年
ここにぼくの村《バリアルト》での村づくりが一歩進んだ。
紹介
ガラスの祭り

企画名 ガラスの祭り(仮称:光の夜祭り
開催場所 村の広場中央
主な展示品 ガラス瓶・オブジェ
色付き風鈴、ガラス玉、ランプシェード
次回 第5話「ルグラ工房、始動」
これから村が繁栄していくところをゆっくりですが投稿していこうと考えています。
あと、村の繁栄度は、ぼくのリアルの繁栄度と比例させていますので、気長にお付き合いしていただくとありがたいです。
イラストやストーリはChatGPTを利用しています。
最後に
今回も読んでいただき、ありがとうございます。次の投稿で会いましょう
バイバイ
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件などには一切関係ありません。