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第14話「風の帰路」――大国歴21年、早春。雪が溶け、村のあちこちから土の匂いが漂い始めたバリアルト村。 年始の祭り「雪迎えの宴」から数週間。あの夜の灯火と笑顔が心に残ったまま、人々は静かな日常に戻りつつあった。だが、あの日の終わりから、ル...

第13話「雪の灯、消えぬように」――大国歴21年、冬。白雪が静かに村を包み込む年の瀬。バリアルト村では年始の祭り「雪迎えの宴」の準備が進められていた。今年の始まり広場には凍てつく空気の中、にぎやかな声が響いていた。ぼく「ミーナ、そっちはもう...

第12話「冬灯の宴（ふゆあかりのうたげ）」雪降る日常と、仲間の輪冬がバリアルト村を包む。朝の霜が葉を白く飾り、吐息は雲と同じ色だった。けれど村人たちの心は、穏やかに溶け合っていた。ミーナは広場の中心に設置された舞台で、子どもたちへ歌の練習を...

第11話「旅の終わり、始まりの村」❄ 冬の朝に、灯る焚き火白い息が、空に吸い込まれていく。朝露が凍りつく季節、バリアルト村には初雪が舞っていた。焚き火のそばで、ミーナが手袋を脱ぎながら、湯気の立つカップを差し出した。ミーナ「はい、ジンジャー...