ぼくが、ふりーだむ生活をするまで 第8話

投資

第8話「風の便りと、届かぬ返事」


穏やかな日常の中で

朝、村に淡い光が差し込む。初夏の風は涼やかで、草の匂いが心を撫でるように通り過ぎていった。

広場に立つミーナは、ハーブの入ったカゴを抱えながら、工房の前でガラスを磨くルグラに声をかけ

る。

ミーナ
ミーナ

「ねえルグラさん、風鈴がよく売れてるって、また町の雑貨屋さんから注文が来ましたよ」

ルグラ
ルグラ

「……そうか。じゃあ、少し細工を変える。風が違う」

相変わらず意味深なルグラの言葉にミーナは首をかしげながらも、村の空気は穏やかに流れていた。

ぼくはというと、村の集会場で手紙を整理していた。
風の便りにまぎれて届いた一通の封筒――その差出人を見て、目を細める。

ぼく
ぼく

「……タオ、元気でやってるか?」

しばらくぶりのタオからの手紙。そこに書かれていたのは、村の空気を大きく揺らす“提案”だった。


王都からの頼みごと

『村長へ
お元気ですか? 王都の夏は人も空気も暑苦しいですが、私はそれなりに頑張ってます。
実は、ちょっと困ってることがあって――』

手紙の内容はこうだった。

王都で秘書として働いていた知人の娘
名はユウ(22)。
頭脳明晰、容姿端麗、王都の社交界でもそこそこ名の通った才媛。

しかし、彼女が勤めていた政庁秘書室が汚職騒動を理由に**“全員一斉解雇”**。
当然、彼女に非はなかったが、それを証明する間もなく居場所を失った。

『……今、彼女は仕事も家もなく、私のところに居候しています。
でも、王都で彼女のような人間が再就職するのは難しい……。
あなたの村なら、きっと受け入れてくれるんじゃないかと思って』

ぼくはふうと小さく息を吐いた。

ぼく
ぼく

「才女ねぇ……それで、少し抜けてる? 王都にはそんなのが掃いて捨てるほどいたが、タオが言うなら“ホンモノ”かもな」

その日の午後、ぼくは一通の返事を出した。
「ぜひ、村へいらしてくれ。住む場所もあるし、働く場も用意する」と。

そして数日後――
その“ユウ”なる女性が、まさかの本人登場という形で村を訪れた。


才媛、田舎に立つ(が、拒否)

ユウ
ユウ

「……ここが、バリアルト村……? え、うそ……馬、まだ現役なんですか?」

涼やかな琥珀色の瞳に困惑を浮かべ、肩まで伸ばした黒髪を揺らして、ひとりの女性が馬車から降り立った。

彼女こそ、ユウ
王都では「微笑む才女」とも呼ばれた、完璧主義の元秘書。

しかし今は――

ユウ
ユウ

「ごめんなさい! 私、無理です! 無理ですから!!」

そう叫んで、村の道端で膝を抱えていた。

ユウ
ユウ

「電気がない? 魔導ランタン? あの虫、何!? どこまでが家!? この風、髪が乱れる……!」

近くにいた村の子どもが、面白がって彼女を眺めていた。

子ども「ねえ、お姉ちゃんの靴、なんでピカピカしてるの?」

ユウ
ユウ

「そ、それは王都式の……っ! あ、踏まないで、お願い……!」

ミーナとルグラが駆け寄り、なんとか彼女を保護。
その晩、村の宿舎で落ち着きを取り戻したユウは、村長に告げる。

ユウ
ユウ

「せっかくのご厚意ですが……こんな場所、私には到底、住めそうにありません。
明日、戻ります。ごめんなさい」

ぼくはその言葉に頷き、無理強いはしなかった。

けれどその夜。

村の広場で開かれた小さな音楽会――ミーナが摘んだハーブの香り、ルグラが並べた光の器。
子どもたちの笑い声、大人たちの素朴なやり取り。
村長の静かな語り。

それらすべてが、ユウの心に小さな風穴を空けていく。

ユウ
ユウ

(……この村の人たち、みんな目が……まっすぐ。何かを“信じてる”目だわ)

静かな夜風の中、彼女は一人、空を仰いだ。

ユウ
ユウ

「……やっぱり無理。でも、なんか……ちょっと、いいな」


まだ、決めてないだけ

翌朝、彼女は予定通り村を離れる。
しかし、その手にはぼくが渡した手紙が残されていた。

『この村は、受け入れる準備だけはしておく。決めるのは、君の心だ』

道中、彼女はふと立ち止まり、風に吹かれる。

ユウ
ユウ

「決めてないだけ……ね。ふふ、確かに。まだ、何も決めてないわ」

そして――彼女の背に差す光は、どこかあたたかかった。

 大国歴20年
 ここにぼくの村《バリアルト》での村づくりが一歩進んだ。

紹介

ユウ

■ 性格
基本性格:頭脳明晰で合理主義。礼儀正しく、丁寧な言葉遣いを徹底する。

長所:計画力・分析力・論理的思考・事務処理能力に優れる。特に帳簿・記録・交渉は得意。

短所:常識や日常感覚がズレており、田舎の生活習慣に過剰反応しがち。融通が利かない部分も。

感情表現:基本的にクールだが、驚いたりテンパると声が裏返ったり、妙にテンションが上がる。

■ 口癖・印象的なセリフ
「……は、はい? 馬ですか? 乗る、んですか、私が?」

「記録はありますか? いえ、紙じゃなくて、記録簿です、記録簿!」

「あの、あの……わたし、庶民的なものにも耐性はあるつもりなんですけど……これはちょっと……虫、ですか?」

「村って、もっとこう……村々しいものじゃないんですか?(謎発言)」

次回 第9話「その風は、心を撫でて」

これから村が繁栄していくところをゆっくりですが投稿していこうと考えています。
あと、村の繁栄度は、ぼくのリアルの繁栄度と比例させていますので、気長にお付き合いしていただくとありがたいです。
イラストやストーリはChatGPTを利用しています。

最後に

今回も読んでいただき、ありがとうございます。次の投稿で会いましょう

バイバイ

この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件などには一切関係ありません。

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