目次
◆ はじめに:いまさら聞けない「Wi-Fi」とは?
私たちの生活に欠かせないインターネット接続。特にスマホ・PC・ゲーム機・家電などをケーブルなしでネットにつなぐために使われているのが Wi-Fi です。
しかし、
- 「Wi-Fiって結局どういう仕組み?Bluetoothとは何が違う?」
- 「5GHzとか2.4GHzの違いって?」
- 「新しい周波数帯の6GHz(Wi-Fi 6E)って何がすごいの?」
といった疑問を持つ人は多いでしょう。
◆ Wi-Fiとは?基本の仕組みをわかりやすく解説
Wi-Fi(Wireless Fidelity) とは、無線LANの通信規格の一つであり、無線でデータ通信を行う技術の総称です。
▼ Wi-Fiの仕組み(超簡単)
- ルーターが電波を発信
- スマホやPCがその電波を受信
- データを双方向でやり取り
- インターネットにつながる
つまり「ケーブルの代わりに電波を使った通信方式」のことです。
◆ Wi-Fiの歴史:世界標準になるまで
Wi-Fiは突然生まれた技術ではなく、数十年の進化の積み重ねで誕生しました。
⚡ 1985年:無線LANの原点
アメリカのFCC(連邦通信委員会)が
2.4GHz帯を産業・科学・医療(ISM)用に開放
したことが、のちのWi-Fi誕生につながります。
⚡ 1997年:IEEE 802.11 標準化(Wi-Fiの始まり)
電気電子学会(IEEE)が「802.11」という無線LAN規格を策定。
これがWi-Fiの原型となる。
⚡ 1999年:Wi-Fi Alliance 設立
各メーカーの機器が互換性を持つように調整・認証を行う団体が誕生。
この時、「Wi-Fi」という名称が正式に付けられた。
⚡ 2000年代:一般家庭へ普及
- ノートPCの普及
- 無線ルーター価格の低下
- ケーブル不要の利便性が浸透
→ Wi-Fiが標準的な通信インフラに。
⚡ 2010年代:スマホ普及で爆発的に需要増加
iPhone・Androidの普及により、Wi-Fiは生活必需品へ。
- Wi-Fi 4(11n)
- Wi-Fi 5(11ac)
が登場し、高速化が進む。
⚡ 2020年代:新時代の Wi-Fi 6 / Wi-Fi 6E / Wi-Fi 7
最新技術により、
- 通信速度向上
- 混雑環境でも安定
- 6GHz帯の利用
- XR/メタバース向け高速通信
などが実現。
Wi-Fiは今後、さらに高速かつ低遅延な通信を担う基盤になる。
◆ 他の電波との比較(Bluetooth・4G/5G・Zigbee)
| 規格 | 通信距離 | 速度 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| Wi-Fi | 10〜50m | 高速 | 家庭用ネット、PC・スマホ |
| Bluetooth | 1〜10m | 低速 | キーボード、イヤホン |
| 4G/5G(携帯回線) | 広域(数km) | 高速 | スマホ通信 |
| Zigbee | 10〜100m | 中速 | スマート家電の低電力通信 |
| LoRa | 数km | 低速 | IoTセンサー |
▼ Wi-Fiの立ち位置
- Bluetoothより速くて長距離
- 携帯回線より省電力
- Zigbeeより高速
家庭・オフィスの中心的通信規格 としてバランスが良い。
◆ Wi-Fiで使われる電波の種類(周波数帯)
Wi-Fiには大きく「3つの周波数帯」があります。
① 2.4GHz帯(最も広く使われる)
特徴:障害物に強く、遠くまで届く
ただし電子レンジ・Bluetoothと干渉しやすい。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 到達距離 | 長い |
| 障害物 | 強い |
| 速度 | そこそこ |
| 干渉 | 受けやすい |
② 5GHz帯(高速で安定)
特徴:高速通信が可能。2.4GHzより混雑が少ない。
壁に弱いが、通信品質は高い。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 到達距離 | 中くらい |
| 障害物 | 弱い |
| 速度 | 高速 |
| 干渉 | 少ない |
③ 6GHz帯(Wi-Fi 6E / Wi-Fi 7)
特徴:次世代の超高速帯域。混雑ゼロで快適。
対応機器はまだ少ない。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 到達距離 | やや短い |
| 障害物 | 弱い |
| 速度 | 非常に高速 |
| 干渉 | ほぼ無い |
◆ Wi-Fi規格別の特徴まとめ(Wi-Fi 4〜7)
| 規格 | 名称 | 最大速度 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Wi-Fi 4 | IEEE 802.11n | 600Mbps | 初期の高速規格 |
| Wi-Fi 5 | IEEE 802.11ac | 6.9Gbps | 5GHz帯で普及 |
| Wi-Fi 6 | IEEE 802.11ax | 9.6Gbps | 混雑に強い・省電力 |
| Wi-Fi 6E | (6GHz対応版) | 9.6Gbps | 新帯域でさらに安定 |
| Wi-Fi 7 | IEEE 802.11be | 30Gbps超 | 次世代の超高速規格 |
◆ Wi-Fi(電波)を種類別に比較
| 周波数帯 | 長所 | 短所 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| 2.4GHz | 広い範囲に届く・壁に強い | 干渉しやすい・速度は普通 | 一戸建て・IoT家電 |
| 5GHz | 高速・安定 | 壁に弱い・距離が短い | 高速通信・ゲーム |
| 6GHz | 最高速・混雑なし | 対応機器が少ない | 4K/8Kストリーミング・VR |
| Bluetooth | 省電力・接続が簡単 | 低速・短距離 | キーボード・イヤホン |
| 携帯回線(4G/5G) | 長距離・エリア広い | 利用料金が必要 | 外出先の通信 |
| Zigbee/LoRa | 超省電力 | 低速 | スマートホーム |
◆ Wi-Fiの長所と短所
● Wi-Fiの長所
- ケーブル不要で自由にネット接続できる
- 複数台のデバイスを同時接続可能
- 高速通信が可能(Wi-Fi 6/7でさらに高速)
- 設置コストが安い
- Bluetoothより速度が速い
- 5Gより省エネでコストも安い
● Wi-Fiの短所
- 障害物に弱い(特に5GHz/6GHz)
- 周囲の電波と干渉する場合がある
- セキュリティ対策が必要
- 距離が長いと速度が落ちる
- マンションや集合住宅は混雑しやすい
◆ まとめ:Wi-Fiは最もバランスの良い無線通信技術
Wi-Fiは、
- 高速
- 省電力
- コストが低い
- 広く対応している
- 家庭用に最適
という点から、現在最も一般的な無線通信規格となっています。
🔍 最後に:どの周波数を使えば良い?
| 目的 | ベストな選択 |
|---|---|
| 家中どこでもつながりたい | 2.4GHz |
| 高速通信したい(ゲーム・動画) | 5GHz |
| 最新機器で性能を最大化したい | 6GHz(Wi-Fi 6E / Wi-Fi 7) |
🌐 結論:Wi-Fiを理解すれば通信環境はもっと快適になる
Wi-Fiは、スマホ・PC・家電などをつなぐ現代のインフラです。
その特徴を理解すれば、より快適なネット環境を作ることができ、
- 回線速度の向上
- 通信の安定
- ゲームや動画の快適化
- スマート家電の活用
などあらゆる場面でメリットが得られます。
今回も読んでいただき、ありがとうございます。次の投稿で会いましょう
バイバイ

