ぼくが、ふりーだむ生活をするまで 第6話

投資

第6話「ガラスよりも繊細な心」


村に馴染んでいく日々

ミーナ
ミーナ

「いらっしゃいませっ!」

ミーナの明るい声が店に響く。
村娘として生まれ育った彼女が、今や小さな雑貨店を任される身となっているのだから、時間とは不思議なものだ。

店内には、タオが仕入れていった品々――革のバッグや色とりどりの小物たちが丁寧に並び、
そこにルグラのガラス細工が少しずつ増え始めていた。

ぼく
ぼく

「これ、ミーナが並べたの?」

ミーナ
ミーナ

「うん、ルグラさんの“しずくのイヤリング”! 光に当てると、すっごく綺麗なの」

ぼくも足を運んでは、ガラスの小物に目を細めている。

ルグラは相変わらず工房に籠もりがちだが、子どもたちの訪問には意外と優しい対応を見せ、
ときおり「……あぶない。こっちに来るな」と無愛想に言いつつ、冷えたリンゴ水を手渡していた。

ぼく
ぼく

「ほんと、村に溶け込んできたなぁ、ルグラさん」

ぼくのその言葉に、ミーナは笑顔でうなずいた――
けれど、その胸の奥に、小さな曇りがひとつ、落ちていた。


伝えられない気持ち

ある夕暮れ。
店を閉めたミーナは、ふと思い立ってルグラの工房を訪ねた。

ミーナ
ミーナ

「ルグラさん、少しだけお話、いいですか?」

ルグラ
ルグラ

「……手を止めるなら、短く頼む」

いつものぶっきらぼうな返事。だが、彼は火を弱めて椅子に腰かけた。
ミーナは一呼吸置いて、言葉を探すように語り出す。

ミーナ
ミーナ

「わたし、最近……自信がなくて」

ルグラ
ルグラ

「何に?」

ミーナ
ミーナ

「お店のことも、村のことも……ルグラさんの作品が人気で、うれしいのに、
それが“わたしが頑張ったから”じゃない気がして」

沈黙。

イリアは彼女を見ていなかった。炉の奥、ゆらめく炎をただ見つめている。

ミーナ
ミーナ

「……“ガラスは、壊れやすい”って、ルグラさん、言ってましたよね。
だったら、わたしの気持ちも、壊れそうで……」

そのとき。

ルグラ
ルグラ

「――だから、守ってやるんだよ」

ルグラの低い声が、かすかに響いた。

ミーナ
ミーナ

「……?」

ルグラ
ルグラ

「壊れると知ってて、それでも大切に扱う。
その手間が、心だ。お前がしたことも、全部そこに宿る」

ミーナ
ミーナ

「……」

ミーナは、初めてルグラの目を正面から見た。
淡い琥珀色の瞳――まるで、光を閉じ込めた静かな硝子球。

けれどその奥には、確かにあたたかさが宿っていた。


気持ちの橋が、かかる

翌日。
ミーナの店では、小さなガラス展が開かれることになった。

ミーナ
ミーナ

「“ミーナが選ぶ、イリア作品特集”……ってタイトル、恥ずかしいんですけど!」

ルグラ
ルグラ

「いや、それでいい。お前の目を通したほうが伝わる」

ルグラがそう言ったとき、ミーナは少し泣きそうになった。

ミーナ
ミーナ

「……ほんと、不器用ですね」

ルグラ
ルグラ

「うるさい」

展示会には村中の人が集まり、子どもたちはガラスの“光るビー玉”に目を輝かせ、
老人たちは「昔はこんなものなかった」と感心しきり。

ぼく
ぼく

「やっぱり、ミーナの目は正しかったな」


ぼくがそう言うと、ミーナは真っ赤な顔で首を横に振った。

ミーナ
ミーナ

「違うんです。ルグラさんのガラスが――わたしをそうさせたんです」

その夜。
ミーナは展示会の余った作品をひとつ手に取り、ルグラに差し出した。

ミーナ
ミーナ

「これは、ルグラさんに。わたしが“いちばん好き”なやつ」

淡い青に波紋のような模様が入った、ペーパーウェイト。
イリアはしばし沈黙し、それを手に取り、ぽつりとつぶやいた。

ルグラ
ルグラ

「……風の音、覚えてるんだな。あの日の」

ミーナ
ミーナ

「はいっ!」

ふたりのあいだに流れる風が、少しだけ柔らかくなった気がした。

ガラスよりも繊細な心が、
ようやく、すこしだけ通い合った。

それは、村にまたひとつ、新しい“光”が灯った瞬間だった。

 大国歴20年
 ここにぼくの村《バリアルト》での村づくりが一歩進んだ。

紹介

ミーナが選ぶ、イリア作品特集

コンセプト:

「ガラスは、風と光の記憶を閉じ込める器――」

吹きガラス職人ルグラの作品を通じて、
村に新たな“感性の風”を吹き込む、バリアルト村初のクラフト展示会。

目的:

外の村から来訪者を迎え入れ、村の魅力を知ってもらう足がかりとする。

村に「美」と「感性文化」の風を呼び込む第一歩。

ルグラのガラス作品を通じて、村人に“日常の中の特別”を届ける。

次回 第7話「また、風が吹いたときに」

これから村が繁栄していくところをゆっくりですが投稿していこうと考えています。
あと、村の繁栄度は、ぼくのリアルの繁栄度と比例させていますので、気長にお付き合いしていただくとありがたいです。
イラストやストーリはChatGPTを利用しています。

最後に

今回も読んでいただき、ありがとうございます。次の投稿で会いましょう

バイバイ

この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件などには一切関係ありません。

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