こんにちは、マーケットウォッチャーの皆さま!
秋も深まり、2025年10月もいよいよ第4週へ突入します。
前週(第3週)は、米CPI・PPIの強含みで世界の金利上昇が意識され、株式市場には一時的な調整ムードが広がりました。しかし週末には日本の経済対策期待や決算発表をきっかけに反発基調を見せ、「上昇と警戒がせめぎ合う」展開となりました。
そんななか、**第4週(10/20〜10/25)は「決算ラッシュ×政策シグナル×インフレデータ」**が同時進行。特に米国ではテック大手決算とGDP速報値が並び、日本でも消費者物価・日銀政策関連の思惑が交錯し、投資家心理を大きく揺さぶる一週間となる見込みです。
本稿では、海外と日本のイベントを分けてカレンダー+重要度スコア付きで整理しつつ、各イベントの「注目点」「市場予想」「想定インパクト」をブログ風に丁寧に掘り下げます。
読み終えるころには、10月相場の“次の波”が見えてくるはずです。
目次
🌍 海外マーケット:主要イベントカレンダー&重要度
日付 | イベント内容 | 重要度(0〜10) |
---|---|---|
10/21(月) | 米国:主要企業決算ラッシュ(Tesla・Netflix・Goldman Sachsなど) | 8 |
10/22(火) | 米国:中古住宅販売/欧州PMI速報値 | 7 |
10/23(水) | 米国:S&Pグローバル製造業・サービスPMI(速報値) | 8 |
10/24(木) | 米国:新規失業保険申請/耐久財受注 | 7 |
10/25(金) | 米国:第3四半期GDP速報値/ミシガン大学消費者信頼感指数確報値 | 10 |
🔍 海外イベント詳細と市場の注目ポイント
■10/21(月)〜:米決算ラッシュスタート(Tesla・Netflix・Goldman Sachsなど)
第4週前半は、米国主要企業の第3四半期決算が本格化します。
Tesla、Netflix、Goldman Sachs、Johnson & Johnson、Visaなど、幅広いセクターのリーダー企業が登場。
市場予想と注目点:
- Tesla:納車台数減少を懸念、マージン圧力が焦点
- Netflix:広告プラン拡大効果で収益改善期待
- Goldman Sachs:投資銀行部門の回復度合いが注目
想定反応:
良好な決算が並べば「米景気底堅さ」が再確認され、ハイテク株を中心にリスクオンへ。ただし、1社でも大幅ミスが出ればナスダック主導で調整が広がる可能性も。
→ 今年のテーマである「金利高でも利益を出せる企業」が選別される週となります。
■10/22(火):中古住宅販売/欧州PMI速報値
米中古住宅販売は金利上昇による住宅ローン負担増が影響し、販売件数の減少が予想されています。
一方で、欧州ではPMI(購買担当者景気指数)の速報値が発表。特にドイツ・フランスの数値は景気後退懸念を再燃させる可能性が高く、ユーロ安・ドル高を誘うか注目です。
予想:
- 米中古住宅販売:年率換算 380万件(前月比−1.5%)
- 欧州製造業PMI:46.3(前回45.8から小幅改善)
市場インパクト:
- 米住宅市場低迷 → 建設株・素材株にマイナス
- 欧州PMIが下振れすれば → ユーロ安進行でドル高、米株には支援材料
■10/23(水):米S&PグローバルPMI(製造業・サービス)
米国経済の体温計ともいえるPMIが発表。
前月は製造業47.6、サービス52.8と強弱混在でしたが、今回は製造業の底入れが確認されるかが焦点です。
市場予想:
- 製造業PMI:48.2
- サービスPMI:53.0
解説:
製造業が50を割り続ける限り、「景気後退懸念」はくすぶり続けます。
ただ、サービス業の堅調さが維持されれば、FRBとしては急な利下げを避ける口実となるため、金利高止まり=ハイテク株には逆風の構図は変わらない見通しです。
■10/25(金):米GDP速報値(第3四半期)
週の大トリを飾る超重要イベント。
予想は前期比年率+2.2%成長と堅調な見通しが立っています。
想定シナリオ:
- 上振れ(+2.5%超) → 景気強さを好感、ドル高・金利上昇・株価は反応薄
- 下振れ(+2.0%未満) → 利下げ期待が再燃、株高・ドル安
注目セクター:
半導体・自動車・エネルギー。特に輸出主導企業の見通しに影響。




🗾日本市場:国内イベントカレンダー&重要度
日付 | イベント内容 | 重要度(0〜10) |
---|---|---|
10/21(月) | 政府:補正予算案審議入り/経済対策閣議決定 | 9 |
10/22(火) | 貿易統計(9月分)/為替介入報道の可能性 | 7 |
10/23(水) | 日本:全国消費者物価指数(CPI) | 10 |
10/24(木) | 日銀金融政策決定会合(2日目)/植田総裁会見 | 10 |
10/25(金) | 主要企業決算(ソニー・三菱商事・オリックスなど) | 8 |
🗾日本市場イベント詳細と注目点
■10/21(月):補正予算案審議入り
政府の補正予算案(総額約16兆円)が国会で正式審議へ。
家計支援金の再支給、インフラ整備、地方自治体向け交付金などが柱です。
マーケット視点:
- 建設・設備投資関連株:プラス(大成建設、鹿島、コマツなど)
- 財政規律懸念 → 国債利回り上昇リスク
■10/22(火):貿易統計&為替介入報道への警戒
9月の貿易統計は、円安による輸出増とエネルギー輸入増が交錯。
市場予想では赤字幅縮小(−6000億円前後)とされています。
一方で、150円超の円安水準を受けて財務省の介入示唆が続いており、
「実弾介入があるか否か」が短期トレンドを決める可能性。
想定反応:
- 赤字縮小&円安維持 → 輸出関連株買い
- 円急反発 → 内需・小売株に資金シフト
■10/23(水):日本CPI(全国消費者物価指数)
国内イベントの中でも最重要指標。
日銀政策変更を占う“試金石”とされ、市場は一斉に注目。
予想:
- 総合CPI:+2.7%(前回+2.8%)
- コアCPI(生鮮除く):+2.4%
- コアコアCPI(エネルギー除く):+2.1%
想定反応:
- 2%超維持 → 「物価上昇の定着」→ 日銀の利上げ観測浮上 → 円高・株安
- 2%割れ → 緩和長期化観測 → 円安・株高
つまり、「強ければ金融引き締め懸念」「弱ければ円安で輸出株上昇」という、両刃の相場展開となる可能性があります。
■10/24(木):日銀金融政策決定会合
週の最大焦点。
植田総裁は以前から「物価目標の持続的達成が見えるまで現行緩和を継続」と述べていますが、
今週は為替の急変動+物価高止まりという二重圧力にさらされており、
政策修正の可能性が完全にゼロとは言えません。
シナリオ別想定:
シナリオ | 政策決定 | 株式反応 | 為替反応 |
---|---|---|---|
据え置き | 現状維持(マイナス金利維持) | 株式上昇(輸出株主導) | 円安進行(150.5→152円) |
サプライズ引き締め示唆 | 国債買い入れ縮小方針など | 銀行・保険株上昇、輸出株下落 | 円急騰(149円台へ戻る) |
いずれにせよ、市場のボラティリティは年内最大級となる可能性があります。
■10/25(金):主要企業決算(ソニー・三菱商事・オリックスなど)
この日は日本の大手企業が決算を発表し、日経平均の動向に直結。
予想と見どころ:
- ソニー:エンタメ・半導体ともに好調維持。営業益+10%前後。
- 三菱商事:資源価格上昇で利益上振れ期待。
- オリックス:保険・不動産の利益率回復が焦点。
反応シナリオ:
- 好決算連発 → 日経平均4万円突破トライも。
- 利益確定売り優勢 → 3万9000円台で上値抑制。
🧩 総合テーマと市場展望
第4週の焦点は大きく3つに整理できます。
1️⃣ 「決算×インフレ」:実需と物価のせめぎ合い
→ 米GDP・CPI、日本CPI・決算がすべて出揃う週。市場の温度感を決める分岐点。
2️⃣ 「金利と為替の攻防」:ドル高・円安は続くのか?
→ 日銀会合次第で、為替トレンドが反転する可能性あり。
3️⃣ 「政策の持続力」:日本の補正予算が支えるか?
→ 政策効果への信頼が高まれば、外国人投資資金の日本株シフトが続く。
💱 市場想定シナリオと戦略マップ
シナリオ | 想定展開 | 株式市場反応 | 為替 |
---|---|---|---|
A:米GDP上振れ+日銀据え置き | 世界景気強気、円安進行 | 日経平均4万突破、輸出株主導 | ドル円152円 |
B:米GDP下振れ+日銀タカ派化 | 景気減速+円急騰 | 輸出株急落、銀行・内需株に資金 | ドル円148円台 |
C:決算好調も政策不透明 | 個別株物色中心 | 日経横ばい・TOPIX堅調 | 150円台維持 |
✍️ まとめ
「10月第4週は“決算と政策の二重奏”が市場のリズムを決める週になる。」
米国ではGDPと決算、日本ではCPIと日銀会合。
これほど多層的な材料が同時に重なる週は年内でも数えるほど。
特に、**“金利の天井”と“景気の底”**がどこにあるのか、
市場はそれを探りながら神経質な値動きを続けるでしょう。
日本市場は、円安による企業収益の押し上げと、政府の経済対策が支えとなり、
相対的に世界市場よりも底堅さを維持する可能性があります。
しかし、もし日銀がサプライズ的な金融政策修正を示唆すれば、
その構図は一気に逆転──輸出株主導の相場は一時的に冷却されるでしょう。
投資家に求められるのは「スピードではなく構造を読む目」。
金利・為替・決算、この三つのバランスこそが、秋相場を制する鍵です。
次回(10月最終週)は米FOMCウィーク前哨戦。
ここでの金利動向と企業収益トレンドを見極めることで、
年末ラリーの地図が少しずつ見えてくることでしょう。
🌏 結論:
10月第4週は、2025年相場の“本格的な分岐点”。
強いデータと緩やかな政策が両立すれば、株式市場はもう一段上昇へ。
しかし、金利ショックや政策誤認が重なれば、調整入りのリスクも。
まさに、「上昇の中に潜む波乱」を読み解く週です。
最終判断はご自身で行ってください。
今回も読んでいただき、ありがとうございます。次の投稿で会いましょう
バイバイ



