📊 2025年10月 第3週(10/13〜10/18)マーケット動向まとめ

投資

〜インフレ、企業決算、政策転換──秋相場の真価が問われる週〜

 こんにちは、マーケットウォッチャーの皆さま!
 10月も半ば、いよいよ「年末相場」の序章を告げる重要局面に入りました。
 2025年10月第3週(10/13〜10/18)は、世界的に経済の“温度差”が浮き彫りになる週。
 米国ではインフレと消費データが、欧州ではECB(欧州中央銀行)の政策発信が、
そして日本では企業決算の前哨戦と円相場の急変が焦点となります。

 秋のマーケットは往々にして“ニュース過多”となり、判断が難しくなる時期。
 しかし今週は特に、「物価」と「消費」と「金融政策」の三拍子が一斉に交錯する“相場の交差点”です。

 では早速、カレンダー形式で主なイベントを整理し、
各イベントの注目点・市場予想・想定反応を詳しく見ていきましょう。


🌍 【海外マーケット】注目イベントカレンダー&重要度スコア

日付イベント内容重要度(10段階)
10/14(月)米国:コロンブス・デー(債券市場休場・株式市場は短縮取引)4
10/15(火)米国:9月 消費者物価指数(CPI)🔥10
10/16(水)米国:小売売上高(9月)/PPI(生産者物価指数)🔥9
10/16(水)米地区連銀ベージュブック公表7
10/17(木)欧州:ECB理事会議事要旨/英国CPI8
10/18(金)米国:鉱工業生産・設備稼働率・ミシガン大学消費者信頼感指数8

🔍 【海外イベント詳細分析と市場反応の見どころ】


■10/15(火) 米国・CPI(消費者物価指数)【重要度:10】

いよいよ今週最大の山場。米国のインフレ指標は世界市場を動かす“トリガー”です。
前月のCPIは前年比+2.5%(コア+2.7%)と落ち着きを見せましたが、今月はエネルギー価格反発が懸念材料。
中古車・住宅賃料が鈍化傾向を示す一方、サービス価格の粘り強さが注目されています。

市場予想: 総合+2.6%、コア+2.7%前後。
想定シナリオ:

  • 予想通り or 下振れ → 利下げ期待が継続、株高・金利低下・ドル安へ。
  • 上振れ → FRBの利下げ時期が後ずれ、株式市場に調整圧力。

過去との比較:
2025年夏以降の市場は“インフレ減速シナリオ”に賭けて上昇してきた経緯があるため、
CPIの強弱次第で「上昇相場の持続力」が試される局面。

特にナスダックは金利敏感株が多く、上振れなら▲2〜3%の下落余地。
一方で、予想を下回ればFANG+銘柄中心に買い戻しが入りやすい展開となるでしょう。


■10/16(水) 米国・小売売上高/PPI(生産者物価指数)【重要度:9】

CPI直後の2連発イベント。
消費者行動(小売売上高)と企業段階の価格転嫁力(PPI)を同日に確認できる重要指標です。

市場予想:

  • 小売売上高:前月比+0.3%
  • PPI:前年比+2.1%

焦点ポイント:

  • 小売が強ければ、消費の底堅さが確認され、「景気減速懸念」は後退。
  • PPIが高止まりなら、インフレ圧力が再燃し“ハト派期待”を削ぐ。

想定反応:

  • 両方とも強い → 株安(金利上昇)
  • 小売堅調・PPI鈍化 → 「理想的ソフトランディング」期待で株高
  • 弱め → 利下げ期待で再びリスクオン

日本市場では米国小売の強さ=世界景気回復シグナルとして輸出株や海運に追い風。


■10/17(木) ECB議事要旨・英国CPI【重要度:8】

欧州サイドの政策モードが再び注目を集めます。ECBは前回、年内利下げに慎重な姿勢を示したため、
議事要旨のトーンが「タカ派」か「ハト派」かでユーロ/ドルの動きが決定的になります。

想定反応:

  • タカ派基調 → ユーロ上昇、ドル安 → 米輸出企業に追い風
  • ハト派基調 → ユーロ安・株高(欧州株中心)

英国CPIはブレグジット後の物価動向を反映しやすく、
賃金上昇率との乖離があればBOE(イングランド銀行)政策見通しに影響します。

結果が高止まり → 利下げ後ずれ、ポンド高。
鈍化 → 利下げ前倒し観測で英国株上昇。


■10/18(金) 米国・鉱工業生産/ミシガン大学消費者信頼感【重要度:8】

週末の仕上げを担う重要統計。
CPIと小売の結果を受けた上で「米経済は実際にどこまで減速しているか」を測る指標群です。

市場予想: 鉱工業生産 +0.2%、消費者信頼感 72前後。

想定反応:

  • 強い結果 → 景気堅調を裏付け、金利上昇 → 株価一時軟化も底堅い。
  • 弱い結果 → 利下げ期待で株価持ち直し、ドル安へ。

この日のデータは「金曜の引けポジション」に影響するため、
週末のポジション整理・短期筋のフローが増えることも予想されます。


🗾【日本マーケット】国内イベントカレンダー&重要度スコア

日付イベント内容重要度(10段階)
10/14(月)体育の日(日本市場休場)2
10/15(火)8月機械受注/日銀支店長会議・金融政策議論報道7
10/16(水)日本:9月企業物価指数(CGPI)・貿易統計速報8
10/17(木)政府:追加経済対策の原案提示(予定)9
10/18(金)主要企業決算(輸送・機械セクター)/景気動向指数(確報)8

🗾【日本イベント】結果・見通し・波及効果


■10/15(火) 機械受注・日銀支店長会議【重要度:7】

設備投資の先行指標。
7月・8月と続いたマイナス成長からの回復なるかが焦点。
市場予想:前月比+1.8%
「製造業の底打ち」が確認されれば、景気回復のシグナルとして歓迎されるでしょう。

日銀支店長会議では、各地域の景況感と物価見通しを点検。
金融緩和縮小の時期感が読み取れれば、円高・銀行株高の流れも。


■10/16(水) 企業物価指数(CGPI)・貿易統計【重要度:8】

企業間取引の価格動向を示すCGPIは、
インフレ転嫁力の有無を測る鍵。
予想:前年比+2.4%(前月+2.5%)

輸出入統計では自動車・半導体装置が引き続き堅調。
エネルギー輸入コストが上昇しており、赤字幅がやや拡大する見通し。

円相場インパクト:

  • 貿易赤字拡大 → 円安要因
  • 黒字改善 → 円高圧力

■10/17(木) 政府追加経済対策 原案公表【重要度:9】

この週最大の国内テーマ。
消費支援策・エネルギー補助金延長・公共投資増額が柱になる見通し。

市場の注目点:

  • 財政拡張策 → 消費関連・建設株にプラス。
  • 財政健全化優先 → 国債利回り低下・銀行株にマイナス。

政策発表の中身によって、日経平均は**+400円〜−300円**ほど動く可能性も。


■10/18(金) 景気動向指数・企業決算スタート【重要度:8】

景気動向指数(確報)は8月速報からの修正次第で政策議論の流れが変化。
同日からは機械・自動車・素材系の決算シーズン前哨戦が始まります。

特にトヨタ・日立製作所・キーエンスの動向は指数全体を動かすため要注意。
「円安効果+海外需要回復」が続けば、株価押し上げの起点に。


💡【総括】10月第3週のマーケット構図と投資戦略


🌐 海外視点:CPIを軸とした「金利感応相場」

CPI・小売・PPI・ベージュブック──
まさに米インフレと景気のバランスを測る集中週

マーケットの最大関心は、

“FRBはいつ利下げに動くのか?”

という一点。

結果が弱ければ、12月FOMCでの利下げ確率は70%超へ上昇する可能性。
逆に強ければ利下げ後ずれで金利高止まり、ハイテク・グロース株に調整圧力。


🗾 日本視点:政策期待と円相場が焦点

日本では追加経済対策が焦点。
内容が「景気刺激色」ならTOPIX上昇、「財政健全型」なら債券市場に安定感。

円相場は米CPIと日本貿易統計次第で大きく変動しやすく、
ドル円は148〜152円レンジを想定。

輸出株(自動車・半導体)は円安基調なら堅調、
内需系(小売・不動産)は物価上昇懸念が重しとなるでしょう。


📈 【まとめ:投資家向け戦略メモ】

視点想定展開戦略ヒント
米CPI下振れ利下げ期待再燃、株高・円安ハイテク・輸出関連を買い戻し
CPI上振れ金利上昇・株調整ディフェンシブ(医薬・通信)へ資金回避
日本追加予算拡張型消費・建設・エネルギー関連↑国内中小型株の短期物色
円高方向輸出株↓・銀行株↑内需・金融へローテーション
決算プレビュー期テーマ別循環物色半導体・EV・AI装置関連を注視

✍️まとめ

「10月第3週──それは“インフレと政策のせめぎ合い”の週。」

CPI・小売・PPIといった米経済指標が一気に集中し、
その結果が為替・株式・債券、すべてのマーケットを動かす。
まさに2025年秋相場の“命運を決める週”といっても過言ではありません。

一方の日本では、政策期待が高まる一方で、
円相場やエネルギーコストに左右されやすい脆さも残ります。

しかし、こんな時こそ冷静に「波を読む」ことが重要。
イベント前はポジションを軽く、結果を見極めてから動く。
為替・金利・企業業績──その三つの温度差をうまく活用できれば、
この“秋の乱気流”をチャンスに変えることができるでしょう。


🌾 来週(第4週)以降は米企業決算の本格化と日本の補正予算審議がスタート。
いよいよ年末ラリーの入り口です。

今週は、インフレと政策、その狭間に揺れるマーケットを見逃すな。

最終判断はご自身で行ってください。

今回も読んでいただき、ありがとうございます。次の投稿で会いましょう

バイバイ

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