ぼくが、ふりーだむ生活をするまで 第10話

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第10話「名前を呼ばれる日」


秋の空と、小さな手紙

バリアルト村の秋は、澄んだ空気と金色の風が村を包む。

稲刈りの終わった田んぼに夕陽が落ち、赤とんぼが子どもたちの笑い声と共に飛び交っていた。
軒先に吊るされた干し柿が、村の時間のゆるやかさを語っている。

ユウ
ユウ

「……思ったより、寒いのね。南よりも風が冷たい」

ユウは、厚手のショールを羽織って役場に向かっていた。
歩きながら手には、一通の小さな手紙。差出人は、前回出会った旅人ソウジ。

『バリアルト村はどうだ? 君ならすぐに“名乗らずとも誰かの隣”になれると思ってたよ』
『ああ、それと――村長ってのは、結構な“重さ”だ。誰かに支えてもらうのも、悪くないはずだぜ?』

手紙の最後に添えられた、「じゃあまた、秋の市あたりで顔出すかもな」という軽い筆致に、小さく笑みを漏らした。

「……支える、ね。私は……誰かの支えになれてるのかしら」

そんな彼女に、「おはようございます、ユウさん!」とミーナが駆け寄る。
まるで小鳥のように元気な声。

ミーナ
ミーナ

「今日も議事録お願いできますか? あと、村長宛てに来た“林道補修の助成金の通知”、翻訳してくれると助かるんですけど……」

ユウ
ユウ

「もちろん。役に立てるなら、いくらでも」

ここ数週間で、ユウは自然と“役場の一員”として認知されつつあった。
事務処理能力、整理力、対外文書の対応――

けれど。

(この“役に立つ”という感覚が、私の居場所なのかしら……)

心のどこかに、“線”が引かれていた。


名前が、呼ばれない日

その日、村では秋祭りの準備が進んでいた。
集会所では屋台の相談、子どもたちの劇の練習、農作物品評会の陳列……。

ぼく
ぼく

「……では、次の議題。演目“バリアルトの風の物語”の進行係を誰にするか」

ぼくが提案すると、ある年配の村人が言った。

「村のことは、やっぱり“身内”で回したほうがええじゃろ。あの子、ミーナでええんじゃないかい?」

ミーナが戸惑いながら微笑んだとき、ユウの心に小さな鈍い音が響いた。

(……私は、“身内”ではないのね)

役場では頼られていても、会議の輪では“外”に置かれる感覚。
名も呼ばれず、誰も悪意はない。ただ、そこに“いる人”であり、“誰か”ではない。

夜。宿の灯火の中、ユウはひとり、長机に広がる書類を見つめていた。

ユウ
ユウ

「……私、また“役目”でしか見られてないのかも」

そんなとき、扉が静かに開いた。

ぼく
ぼく

「……やっぱり、まだ残ってたか」

村長の声だった。

ユウ
ユウ

「ごめんなさい、すぐ片付けます」

ぼく
ぼく

「いや、違うんだ。ちょっと、頼みがあって来た」

彼は少しだけためらいを見せてから、真剣な眼差しで言った。

ぼく
ぼく

「ユウ。君に、“正式に”この村の役場補佐として入ってほしい。肩書きだけじゃなく、居場所として」

フィリーネは、驚いて顔を上げた。

ユウ
ユウ

「でも……私は、よそ者で……」

ぼく
ぼく

「そう思ってるのは君だけだ。誰よりも、村のことを見て、支えてくれてる。名前を呼ぶのが遅れたのは、俺たちの方だよ」

ユウの喉が、何かを飲み込んだように詰まる。

ユウ
ユウ

「……そんな風に、言われるなんて……思ってなかった」

ぼく
ぼく

「村は、“帰る”場所でも“作る”場所でもある。俺たちは、君と一緒に村を作っていきたいんだ」


名前を呼ばれる日

秋祭り当日。
空は高く、焼き栗の匂いが道に満ちていた。

広場には村人が集い、子どもたちの劇に拍手が湧く。
その端で、村長が声を上げた。

ぼく
ぼく

「えー、そして今年の秋祭りより、役場の補佐に新しい仲間が加わります!
……ユウ。みんな、どうか温かく迎えてやってください!」

一瞬の静寂の後、拍手が巻き起こった。

「おう、頼もしいねぇ!」「この前の配布資料、分かりやすかったよ!」
「美人さんが村に増えるのはいいことだぁなぁ!」

どこか素朴で、真っ直ぐな声。
そして――

ミーナ
ミーナ

「ユウさん、これ、私から! 干し柿サンドですっ!」

ミーナが小さな包みを差し出す。

ユウ
ユウ

「……ありがとう、ミーナ」

そのとき。
ユウは初めて、自分が“名前で呼ばれている”ことに気づいた。

誰かの手で、輪の中に引き寄せられたこと。

それが――“村の一員”ということだった。

村の秋風が、柔らかく頬を撫でる。

その風は、もう――冷たくなかった。

 大国歴20年
 ここにぼくの村《バリアルト》での村づくりが一歩進んだ。

紹介

秋祭り《紅葉の収穫祭》概要

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   🕯 バリアルト村 秋の祭典 🕯 
 《紅葉の収穫祭 -こがねの夜に祈りを-》

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 秋の風とともに、今年も訪れる感謝の夜。

 色づく木々、揺れる光、実りと笑顔のひととき。
 ガラス灯籠がともす温かな光の道を、
 どうかあなたも歩いてみませんか?

🌾 開催日時:
 十月十二日(風の月) 夕暮れより始まります

🌾 場所:
 村中央 風見広場 〜灯籠の並木道〜

🌾 催し物一覧:
 ・収穫感謝の市(地元の味と手仕事屋台)
 ・ルグラ職人の吹きガラス灯籠点灯式
 ・村人演芸大会(ミーナ司会・ユウ特別審査)
 ・秋風の舞(紅葉の舞布による幻想の踊り)

🌾 特別協力:
 ルグラ工房
 村長 & 補佐官ユウ

 ──実りの季節に、願いを灯すひとときを。

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次回 第11話「旅の終わり、始まりの村」

これから村が繁栄していくところをゆっくりですが投稿していこうと考えています。
あと、村の繁栄度は、ぼくのリアルの繁栄度と比例させていますので、気長にお付き合いしていただくとありがたいです。
イラストやストーリはChatGPTを利用しています。

最後に

今回も読んでいただき、ありがとうございます。次の投稿で会いましょう

バイバイ

この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件などには一切関係ありません。

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